日本財団再犯防止プロジェクト

 
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日本財団 職親プロジェクト 設立3周年記念シンポジウムが開催

日本財団 職親プロジェクト 設立3周年記念シンポジウムが開催

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2016年3月1日、日本財団 職親プロジェクト 設立3周年記念シンポジウムが、東京・赤坂で開催された。

日本財団の尾形武寿理事長は「再犯率を下げるための取り組みとして、3年やってみましたが、なかなか定着率が悪いのが現状です。今後再犯を防止するために、官民挙げての総合的な対策をどうするのか議論を重ねていきたい。何が一番必要なのか。出所後、社会の一員として生活できる環境をみんなで整備していきたい」と挨拶した。

担当の廣瀬正典氏から「再犯の7割が無職です。安全な暮らしを守るために、このプロジェクトを始めました。最初は、出所者による居酒屋を想定しましたが、企業の賛同が得られませんでした。雇用が重要と考え7つの企業と一緒にプロジェクトを立ち上げました。1カ月8万円を6カ月補助(現在では国の制度に)することにし、大阪から始めて各地に支援企業の輪が広がっています。トラブルとしては、働き始めた人が急にいなくなってしまうケースがありました。そこで、官民共同の勉強会で出所者の定着について論じたところ、刑務所と社会の壁を超えた一貫したプログラムが必要なことが分かりました。刑務所での、講話・企業説明会・「働く」をテーマにした懇談。中間支援施設では、寮(住まい)と教育を提供します。適切なお金の使い方、食育、家庭で学ぶべきことも学んでもらう場所です。就労場所については、関西から北海道、九州から関西など地域を横断することによって昔の悪い仲間と手を切る手法も試みています」などと説明した。

 

更生された、雲水代表の立花太郎氏は自身の人生について「今35歳です。これまでの半分、少年院や刑務所に居ました。受刑者の多くは、社会で暮らしている人とは働くことに対しての意識が違います。見放さずに企業(職親参加社)がどこまで面倒を見てくれるかなんです。再犯が多いのは、出所しても雇ってくれる会社がないので繰り返し罪を犯すんです。

私の更生のきっかけは、ヒューマンハーバー(中間支援施設も運営)と出会ったからです。もちろん、それだけではなく、一番重要なのは自分のやる気なんです。ヒューマンハーバーとの刑務所での面接で、山川敦副社長は100万ドルの笑顔で接してくださり、将来の夢を聞かれました。笑われてもいいと思い正直に自分の夢を語りました。作文にするように言われ提出しました。会社に入社してからは、遅刻もしました。給料の前借もしました。

(一般的に元受刑者は)いろいろな中毒があって、なかなか抜けられないんです。再犯者は、中毒にはまっていて、仕事に就けないんです。

 

また、(採用に向けて)面接者が少しでも疑うと、その人は来ません。100%応援してください。情に熱い人が多いので、この人の親父になってやるという気持ちで臨んでください。今、16歳と25歳の青少年を雇っています。再犯者に対する世の中の風当たりは厳しいです。隠さないので、オープンにしています。素直に接すれば、素直に応じてくれる人も多い。だれでも犯罪者になる確率はあります。犯罪者を減らせば、犯罪に遭う可能性が減ります。これからは、再犯者を減らす活動をしていきたいと思います」と話した。

 

ニューフラワー代表 川島光一朗氏は「覚せい剤で捕まり、執行猶予4年の判決を受けました。12年農業ファームで働きました。国から新規就労(農業)プロジェクトで2,150万円の融資を受けて起業しました。今、発達障害者を雇用しています。あれはダメ、これはダメではなく、コミュニケーションと仕事の面白さを教えてあげることが大切」と語った。

 

『矯正支援と更生支援のあり方』をテーマにしたトークセッションでは、実業家の堀江貴文氏と千房株式会社 中井政嗣氏が議論を白熱させた。

 

対談の中で堀江氏は「刑務所では本当の意味で更生は出来ない。コミュニケーション能力の向上が大事。木彫りのクマを彫っても(その技術は)社会で役立たない。元犯罪者は、メンタルがみんな弱い。期待をされればされるほどきつい。職場から逃げて、結局は刑務所に戻るので、緩くしないと厳しい。企業規模に応じて雇用のルールを作る必要がある。社会全体の偏見を取っ払っていく事が重要だ」などと話した。

法務省の統計によると、窃盗や傷害など一般刑法犯による再犯率は1997年以降、上昇傾向にあり、2014年は過去最悪の47.1%。日本財団は、少年院出院者・刑務所出所者の円滑な社会復帰のため、就労、教育、住居、仲間作りの三位一体による支援強化を図るため、法務省の理解と協力のもと、企業と連携し、元受刑者等の更生と社会復帰を目指した職親プロジェクトを広げている。