日本財団再犯防止プロジェクト

 
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「日本財団職親プロジェクト設立4周年 全国大会」が開催

あいさつをする千房の中井政嗣社長.JPG

 刑務所や少年院から出た人を対象に就労や宿舎などを提供し、再犯を防止する「職親プロジェクト設立4周年全国大会」が2月28日、大阪市北区のホテルエルセラーン大阪で開催された。2013年2月に日本財団と関西の7社が提携し発足、現在では東京や福岡、和歌山にも拡大、62社が参加している。

 お好み焼き「千房」の中井政嗣社長は「発足から4年が経ち、7社から始まったプロジェクトも4年で9倍に増えた。埼玉や新潟、山口でも設立の動きがある。これからも民間企業と行政が一体となり、全国に拡げていきたい」とあいさつした。

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 産業廃棄物処理業「ヒューマンハーバー」(福岡)の副島勲社長は「つまづきは竹の節のようなもの」と題し、講演した。

 同社はこれまでに出所者8人が卒業し新たな職に就き、現在28人の社員のうち出所者は9人となっている。

 「刑務所は人財の宝庫」とした上で、刑務所を出た者に対し、副島社長は「せっかく人間に生まれてきたのは何のためか。あなたの存在価値は何なのか」と問いかけ、「就労、教育、宿泊の三位一体の支援することで気づきを与え、あなた自身が社長、あなた自身が株式会社であることを教えていき、夢は経営者100人輩出すること」と話した。

 出所者が更生すると、「まず本人が喜び、親や家族が泣いて喜び、安心安全な街になり、地域や社会が喜ぶ。さらに納税者となり、国や自治体も喜ぶ」といいこと尽くめだという。

 出所者の雇用が難しい大企業に対しては「現実問題として、大企業に雇ってくださいとはなかなか言えない。でもその代わりに仕事を下さいと言う。我が社に産廃を排出してくれれば、それが間接雇用となる。再犯をなくし、自立更生し納税者を増やす事はまさに国家事業。もっと全国に拠点を増やし、全国組織にしていきましょう」と呼びかけた。

東京地区の現状報告をするビ・ボーンの宮下竣吉社長.JPG

 その後、地域の拠点ごとに現状を報告した。東京地区の建築業「ビ・ボーン」の宮下竣吉社長は出所者を自宅に呼び寄せて面倒を見ていたが、突然、消息不明となった事例を挙げ、「どこかで自分でしてあげる気持ちになっていたかもしれない。でも正義があるならば正義を貫きたい。若い人が社会復帰して納税者になることが国力の復活につながる」と話した。

失敗談を語る大剛の岩本剛季社長.JPG

 大阪の土木建設業「大剛」の岩本剛季社長は保護観察が終了したとたんに不明になったケース、無断で就労初日に帰郷したケースなどの失敗談を披露し、「なかなか定着しない。やはり一時間半の面談で理解することは難しい」と実状を打ち明け、出所者に対し「社長になって独立しろというと、その気になって仕事を覚えようとする。それが他の社員にも伝わり、社内の雰囲気が変わってきた」と意外な効果があるという。「これだけ志を持った人が集まれば、必ず再犯が減ると信じている」と話した。

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 昨年7月に全国4番目として発足したばかりの和歌山の「スーパーサンワ」の和田訓昌取締役は「社会貢献したい。悩んでいる地域の人にお手伝いをしたい」とこれまで障害者の就労支援を続けてきたが、今後は「企業と行政、地域が一体となり、再犯防止のために進んでいきたい」と意欲を見せた。

福岡での活動を報告するT・P・Tの藤嶋理久子社長.JPG

 12社が参加している福岡の土木建設業「T・P・T」の藤嶋理久子社長は「親の顔を見た事がない人もいるのです。だれでもみんな自分の体重を背負っている。生きている重みを背負っている。50歳でも遅くない。思い切って第一歩を踏み出そうよと言いたい」と話した。

 大会終了後に開かれた懇親会では、プロジェクト参加企業の「千房」のお好み焼きや「だるま」の串カツ、牛心「但馬屋」の牛丼、「湯木」の鯛茶漬け、「菜花野」の寿司の屋台が並び、出席者に振る舞われた。