日本財団再犯防止プロジェクト

 
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株式会社牛心 伊藤勝也社長

株式会社牛心

伊藤勝也社長

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  ーーなぜ社会貢献に取り組むように

 企業のあり方ですよね。いい国があるから企業は幸せであり、いい国でなかったら企業が栄えても幸せになれないでしょう。それでは国のためにお役に立てる企業になろうと、まずはカンボジアで学校建設に取り組みました。でも学校の建設資金を提供するような社会貢献と職親プロジェクトはまったく別で、本当の意味で関わりを持ちませんと、更生は望めません。そういう一番難しいことをしなければならないと思い、職親プロジェクトに参加しました。 

 ーーそういう思いは以前から

 人のお役に立ちたい、どんな悪かった人にでも手を差し伸べてあげたいという気持ちが強く、その人たちの気持ちがよくわかるつもりです。罪を犯した人にでも手を差し伸べる人間に企業にならないとあかんのやなと思いますね。最後まで守ってあげると人は変わります。そんな人間もいないとだめでしょう。生まれ持って協調性が苦手な人もいますが、そんな人こそがエジソンとかアインシュタインのように化けることもあります。精神的に弱くても秘めた才能があるかもしれません。輝く石だったのに、罪を犯して汚れた石になっていても、まただれかが磨いてやらなければなりません。だれかがする必要があると思いますね。

ーー社内的にはいかがだったでしょうか

 つらかったのは社内の反発が大きかったことです。僕だって本音でいえば、不安はあります。でも挑戦することが大切でしょう。口には出しませんが、社内には「なんで」「何考えてんねん」と思う人がたくさんいると思います。例えば物がなくなったら、その人を疑ってしまうものなんですね。弊社も2人を雇用していましたが、物はなくなるようなことはありませんでした。もし何かあればどうなったでしょう。いつも「いい会社をつくろうよ」と言っているんですよ。でもいい会社ってみんなが支え合えるものではないでしょうか。

ーー実際にはいかがでしたか

 職場内でトラブルがあったことはありません。はじめはコミュニケーションがとりにくいということはあったようですが、徐々になじんでいったようです。でも最後はよくいう、とびました。給料日に給料を持ったままいなくなりました。他の社員はいろいろと面倒をもみてくれていたと思いますが、自分も社長としてもっとできることがあったと思いますね。すぐに仕事に放り込んでしまい、最初にコミュケーションをもっととるべきやったかなと反省しています。なぜ仕事をするのか、人生とは何なのか、あなたのしたいことは何なのかと話し合い、目標に向かわせる計画を立てるような方法があったのではないでしょうか。セントラルキッチンで肉を切ることだけが目的で大きな夢もなく、その日暮らしになっていたのかもしれません。

 ーー次に雇用したときには 

 違うやり方で挑戦してみたいですね。会社の戦力とかではなく、自分の幸せを見つけてくれればいいです。プロジェクトの目的は本当に自分の喜びや幸せを見つけることであり、「あの人のおかげで変わった」と言ってもらえれば、こんなにうれしいことはありません。あかんというのではなく、そこは挑戦です。職親プロジェクトで採用した人たちを変えることができたら、うちの社員全員を変えることができます。2人は会社に求心力がなかったから変えることができませんでした。求心力があれば変わります。そこにうちの会社の原動力になるものがあると確信しました。 

ーー例えばどういう接し方をしますか 

 面接の時の気持ちを持続させる必要があります。その時は本気でもいつしか悪魔がささやくものです。その悪魔を断ち切るため職親の言葉通り、厳しいこともいい、優しいところもある本当の親にならないといけないと思います。例えば身なりは心の表れ、部屋が荒れていると心も荒れているものです。管理されていると嫌がるかもしれませんので、部屋の写真を撮って送ってこいというくらい面倒をみないといけなかったと反省しています。でも、それは他の社員にもいえます。きちんとしている人しかトップになれません。自分の管理ができない人間が他人の管理ができますか。

 ーーきちんと自己管理ができるようにしたいと 

 指図され、管理されて動くのではなく、自ら考え行動し管理するようになってほしいです。他人に管理された場合その管理がなくなればまた元に戻ります。自分が管理していかない限り、繰り返されます。だからこそ最終的には焼肉屋でも、他の飲食店でも良いですが、独立してお店を開いてもらいたいですね。この業界、一所懸命にがんばればどうにかなります。経営者となり、死ぬほど働いたら人としての喜びもこれまでに自分に足りなかったものも見えてきます。立派に更生してがんばってお店をやっていますと宣伝するのもいいかもしれません。

 ーーそういうお店があれば、後に続く人の励みにもなりますね

 何人か成功したら、彼らに刑務所まで迎えに行かせたいですね。自分が一番、何が嫌か、何をしてほしいかをわかっているでしょう。彼らを教育者にして、どんどん後継者を増やしていけばいい。もっと世の中にオープンにして、出所して幸せをつかんだ先輩が後輩を指導する寺子屋のような場所になるのが理想です。それぐらい夢を持って職親プロジェクトに取り組んでいますよ。

《会社データ》本社・大阪市淀川区東三国6ー19ー33 創業・昭和45年 事業内容・熟成肉専門店(焼肉、和牛懐石、ステーキ)

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