日本財団再犯防止プロジェクト

 
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北洋建設株式会社 代表取締役 小澤輝真氏

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札幌の北洋建設株式会社では、現在元受刑者7名が社員として働いています。元受刑者の受け入れを始めて43年目。これまでに400人以上の受刑者を受け入れた実績があります。最初は、元受刑者が働いている事で近所からのクレームもあったそうですが、周辺住民からの理解も広がり「人生をかけて!働く喜びを伝えていきたい」と語る小澤 輝真社長に、札幌の本社でお話を伺いました。職親プロジェクトでも、積極的に活動されています。

ーーこちらの会社はどういうお仕事をされているんですか。

この会社は鳶(とび)や、土工、と言いまして、足場をやったり、解体工事をやったりなどです。

ーーやはり冬のお仕事っていうのは大変ですよね。

資材センターで行っているものもありますが、冬場は足場が組めないので、解体工事などの仕事をしています。

ーー職親プロジェクトに参加されようと思ったきっかけは何だったんでしょうか。

東京へ行く時に飛行機の機内誌を読んで、プロジェクトがあることを知り、コンタクトを取りました。

ーーこれまでに受け入れた400人以上の受刑者の中には、上手くいかないことも有りましたか。

3日で辞めた人もいますし色々です。ヘルメットを忘れた子がいて、危ないですから厳しく叱りました。「なんでだ!?」って。そしたら、泣いて居なくなってしまったんですよ。その子は、世の中のことをよく知らずに少年院に入って、出てきたんです。会社がリースしているトラックを盗んでしまって、運転に失敗して、畑にトラックごと突っ込んでしまいました。本人は逃げてしまい、後はめちゃくちゃになりました。逃げた翌日に警察から電話が来て「畑めちゃめちゃになってるよ」って言われて分かったんです。トラックの損傷も激しくてレッカー車を手配したり、ガードマンを呼んだり、後始末をしました。その子は事故後、逃げたんだけれども、うちには300万円の請求がきました。なんで盗んだかというと、自分の親がトラックの運転手だったそうなんです。だからその子はトラックの運転ができるんだってところを見せたかったと思うんですよ。

ーー300万円はどうされたんですか。

全部こちらで負担しました。その子に請求はできるんですが、18歳の子に300万円なんか請求できないですから。

ーー最近、良かったと思われたことは。

この前埼玉から来た子がいて、17歳で暴走族のリーダーでした。全身に、和彫りの刺青を掘っていまして迫力もすごかったです。もちろん挨拶などもきちんと出来ないのですが、仕事はすごく真面目にやってたんです。ですので仕事はどんどん覚えていき頑張ってくれました。そこで、君の仕事は素晴らしいなと褒めてあげたんです。そうしたら、初めて褒められましたと言って、次の日からコロっと態度が変わって、すごい良くなったんです。心を開いてもらうきっかけになりました。

ーーなるほど、いい話ですね。

こうした感動的なことは、良くあります。

ーー独立されたりする方も。

自分に力がついたら、どんどん独り立ちして頑張ってやってくださいっていう話をしています。成功している人もたくさんいます。

ーー職親プロジェクトへの参加を検討されている経営者の方に一言。

採用してみればいいんですよ。だめな人間はだめですが、やる人間は後から頑張りますから。凄くやりますよ。また、別のケースですが、初めて出所してきて、一度悪い事をして捕まるんです。刑期を終えて出所後、もう1回採用します。そしたらすごく伸びますよ。

ーー1回目はダメでも、2回目の時は更生意識が高いんですね。

何回も手紙を書いて反省して「なんでやってしまったんだろう」ってね。

ーー検察が、保護観察付執行猶予を求刑した子を採用したケースがあったそうですね

新しい取り組みとして、静岡地方検察庁の就労支援を受けた人を採用したんです。検察が懲役6カ月、保護観察付執行猶予3年の求刑を求めたケースです。地検と弁護士が連携して、公判前に当社が採用を決めました。再犯防止のこれからのモデルケースになればいいと思っています。どうしても、仕事がないと更生するっと言っても、なかなか難しいですから。職親プロジェクトもそうですが、まだまだ元受刑者を採用する会社は少ないのが現実です。43年前に初めて私の父が独立して事業を始めた時に、人がいなくて、刑務所にリクルートに行ったんです。昔は、荒れた人も多くて。一升瓶を割って、毎日のように喧嘩してるんですよ。私の父が止めに入るので、あんまり怖くは無かったです。今はもうあまり採用できませんが、昔は、指の無い人とか刺青が入っている人も多かったですね。当社はなんとか上手くやっています。

《会社データ》▽本社・北海道札幌市東区北20条東12-6-5▽事業内容・建設業
小澤 輝真社長は、難病指定の脊髄小脳変性症を30代半ばで発症。自らも一種一級の障がい者手帳を持っています。障がい者の就労支援にも力を入れていて、北海道認証 障がい者支援企業にもなっています。現在3名の障がい者も働いています。
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