日本財団再犯防止プロジェクト

 
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株式会社T・P・T 藤嶋 理久子 代表取締役  山川 義介 取締役常務

株式会社T・P・T 藤嶋 理久子 代表取締役 

山川 義介 取締役常務

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ーーこちらの会社はどんなお仕事をされているのでしょうか。

 建設業です。土木が主です。福岡市、那珂川の公共事業、道路拡張、それと選挙看板に携わる仕事とか。

 ーー職親プロジェクトに参加されたきっかけは何だったのでしょうか。

 きっかけは、うちのグル―プの中で西日本光創と言う会社があり、もともとそういう仕事をやっていたのがきっかけです。更生保護の支援に教育をプラスしたのが、このヒューマンハーバーさんですよね。更生保護の会長をしておりますので、そういう関係でやりませんかと声がかかって。それでグループ全体で始めようと思い立ち参加しました。

 ーーこれまで、大勢の方を受け入れてこられたのですね。

仕事的には、その人たちを更生させるというのはすごく難しいのですけど、その人たちが1人でも2人でも立ち直ってくれたらと。0ではなくて1人でもいいのです。うちの会社でよかったなと思えるような、そういったお手伝いが出来たらなという風に、私自身がだんだん思うようになってきたのです。いい仕事じゃないかって。

 ーー一番ご苦労される点っていうのは。

 苦労はいろいろあります。一番の苦労はやっぱり長く勤めてもらうことです。最初は皆ぎこちないのです。半年もぎこちなかったけど、もう10年ぐらい勤めている人も何人かいます。家庭をもったり子供さんが生まれたり。そのようなごく普通の出来事がすごく良くて、いいように変わってくれています。そこの変化を見た時にすごくいいものを感じます。

 人の性格って、いろいろやっぱり違うので、短気な性格、几帳面な性格、おおらかで横着な性格とか、いろんな性格を持っている中で、私自身が彼らに対して、合う現場を見付けて、そこでだんだんここの会社は自分にとって非常に働きやすいというのを定着させていくことが、その人たちに長く勤めてもらって生活のパターンに組み込まれる。今まではちょっと稼いでパチンコしたり、なんかギャンブルしたり、お金が無くなったらちょっと犯罪に手を染めて、捕まったりっていうことを、何度か繰り返しながらやってきている人たちが多いので、そういう事を理解して、広い心と思いやりを持ってやることが必要だと思い知らされます。その中で私自身は彼らたちともう10年ぐらいつき合っている者もいるし、1週間ぐらいとかもいますけど、その中でやっぱり早くこっちが、君は将来何がしたいのかというのを聞いてあげて。徐々に働くことで自分の生活のパターンとして基盤をつくりだしてうちの会社働きやすいという考えを定着させていくことが必要なんじゃないかと私は思います。

 1回罪を犯したからといって、それでダメっていうわけじゃないじゃない。1回起こすと何回か繰り返す習性があるのですが、それを少しずつ訂正させながらやっていく。大目に見るわけじゃないですが、普通の会社だったら解雇の所ですが、もっといいところを見てあげる。例えば、犯罪を何回かしていても、良いところはあります。例えば、実家に帰るたびにお土産を買ってくるとか。そういう思いやりのある子もいます。そういったところを褒めてあげる、食事を一緒にする、気持ちを聞くとかですね。そういうふうに触れていく間に長年経ってきて、だんだん悪い方に目が向かないように、修正していくというか。

ーーそうですね。

 もっと他のところに目をいかせる。仕事を忙しくさせるとか。長く続くように、自分の居場所を作ってやることでしょうね。人は、罪を犯す人に限らず、従業員たちが、会社に長く勤めるためには、自分の居場所をつくる。そのように私は思うのです。そういったことに気づいてもらうことですよね。

 

ーーなるほど。

 長くいる人たちはそれが少しずつ解ってきていると思います。昨日もある子に話を聞きました。その子はものすごく最初来た時は突っ張っちゃってですね。何か言ったら犯行をほのめかす言葉とか、逆らう言葉を言っていたのが、徐々に変わってきましたね。今10年経ちますが、すごく素直です。素直だし、先ず、自分から挨拶してきます。おはようございます、とか。例えばこの前食事を一緒にした際に、食事ありがとうございました、とか。その子は率先して言うようになりましたね。成長してきているのですね。

 ーーやっぱり感謝の気持ちが。

 そういうのが自然と人っていうのは言葉に現れ、態度に出たりしますから。やっぱりそういったのをこっちも目ざとく、褒めてあげる。その繰り返しです。朝礼の仕方も、こういうふうに変わってきたって話します。そうすると本人も嬉しいし、他の人も、頑張らないといかんなと思います。だから犯罪者だったからといって私は別に差別とかはしません。公平に扱うように心掛けています。

 ーー中にはとんでもないことをして辞めた方もいらっしゃいますか。

 那珂川に今度新しく、春日警察署ができたのですけど、その前は筑紫野警察署管轄でした。その地元警察署から、暴力事件、詐欺、窃盗、恐喝事件で、警察官が訪ねてきて、そのまま連れていかれたということも何回かあります。

こちらが見てないところでやるから、気がつかないことがあります。でも、はっきり今言えることで、難しいのは、先ず親分肌の人。自分で勝手に決める人間は、これまた檻の中に戻ります。それと薬物中毒。いくらこっちが言っても、薬で1回溺れた人間はある程度3、4ヵ月間真面目にしていても、どこからか薬を入手して、また悪いことをして捕まってしまう。それから性犯罪。この3つのパターンの方は結局うちから離れていって、またもとの檻の中に戻っていくというのが、私がこの10年感じていることです。

ただ、そうやって捕まったりして、また犯罪を繰り返す人もいるのですけど、決して見捨てないのです。自分のできるところまではしようと思っています。例えば、ある人が捕まった時のことです。前も罪を犯して捕まったのですけど。その人に人情的なものがちょっと生まれてきてですね。最初に、一文無しで来たのです。私に電話があって、じゃあ私が迎えに行くからと迎えに行きました。。そしたら形相見るとちょっといかつい顔でした。。でもそういった人はたくさんいるので、慣れてはいます。第一印象が悪く、でも、働いているときは、真面目で一生懸命なのです。最初は良くてもだんだん崩れていくのですよ。例えばお酒、女性とかで、崩れていき、結局はまた犯罪に手を染めた。私にも、「すみません、ほんと、申し訳ないです」って言うのですが、この人がまた来てくれて、立ち直ったらいいなという思いがやっぱりあるので、2回面会に行きました。

留置所に行っていろいろ話をしました。「ちょっとどうしたと?なんでそんなことしたの?もったいないから、やり直そうよ」って、そしたら「すみませんでした、わかりました」って言って。そしたら、すみませんって言って、すごく反省をしていました。要するに、きっかけをつくるってやることです。こうやって私たちも一生懸命あなたのことを思っているのだと。要するに、愛情に薄いのですよね。、親がいないとか、孤児の人そういう人たちが多いのです。そういうところから犯罪にも染まりやすいというか。それを女性や他の人に求めたりすることで、悪いことに走ってしまうのですね。その事情を少し知っているので、説いて、そして話をして、自分にその気があるのならまた戻っておいで、引き受けますよ、ということを、最後に話します。私のすることはそこまでです。自分が考えてもう一度やり直したいっていうのだったら引き取ると。その想いが伝われば、少し立ち直るきっかけになるだろうし。人生もったいないのですよね。皆一緒じゃないですか。それでいろんな事情があって生まれた時に、親がいなかったりして、いろんなことで心が屈折してしまって、どうしようもなくなって犯罪に手を染める。その人が罪を犯す過程においての生い立ちですね。環境がものすごく携わってきていると思います。。うちにもいろんな人間がいて、親から小さい時に虐待を受けて、親に対して反感を持ったまま暴走族に入って。学校を中退して、そのまま少年院、刑務所に入って。あらゆる悪に染まった状態で大人になりその後うちに来たのですよ。来た時は、もうとにかく乱暴者という感じで、これは手に負えんかなと思ったのですけど、孤独な社会の中で犯罪に自分を染めていったっていう少年がやっぱり立ち直るためには、誰かが関わらないといけないわけですよね。

10年経ってまともになったねって。今だったらどこいっても通用するばいって。10人が10人更生するわけじゃない。たまたま彼は更生して、普通の社会人になってくれたかなと私は感じています。

 ーーなるほど。信頼関係の構築ですね。

 そこがものすごく大事だと思います。前に関わっていた人で親の顔を見ないで捨てられた、捨てられてはないけど、家庭内の事情でバラバラになってしまった者とか。おじいちゃんやおばあちゃんに育てられた。親戚からいじめに遭う。そうしたら必然的に愛情をもらえないから屈折していくわけです。その後どういう人生を送ったかわからないけど、犯罪者になってしまったという。そういう人たちって愛情を求めているので、思いやりがある態度で、優しい言葉をかけると、やっぱりほろっとしてくる。元々の良い部分がどんどん出てくる。それを出してあげると、本来の人間の姿に戻っていくのではないかと感じた次第です。こっちも逆に勉強になります。

 ーー心ですよね。

 そうですね。心の教育ですね。それがもっとも必要じゃないかと思います、刑務所はそこで心の教育するわけじゃないですよね。。それを私たちが引き受けてするということでしょう。。道徳倫理的なものもあると思うのですが、そっちがもっと重要かなというふうに私は感じましたね。本人たちも罪は犯しているのですけど、傷ついていると思うのです。皆、良心持っているじゃないですか。

 ーーそうですね。

 それをずっと引きずる人もいるだろうし、そこをやっぱり修復してあげないといけない部分ですよね、彼らの心のメンテを。

 ーー心の傷は大きいですよね。

 大きいと思いますね。もしかしたらもう一生消えないかもわからないですけど。そこを、ケアしてあげたら、もっとにこやかな人生というかほんとは腹いっぱい笑いたいけれど笑えない。そこを修復してあげないといけないのではないかと思いますけどね。心理カウンセラーも必要じゃないかなと思います。信頼できる人に自分のことを話すことによって、少しずつ傷が消えていくというか。話さないとずっと自分で持っておくというのは結構つらい時ありますよね、人って。話すことによってちょっと緩和するというか。

株式会社 T・P・T 

《会社データ》福岡市早良区野芥3丁目27-7 3F-11

《事業内容》建設会社・工事業

 

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