日本財団再犯防止プロジェクト

 
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コレワーク西日本 都坂圭吾氏

 出所が近付いているものの、就労先が決まっていない受刑者・少年院在院者の資格、職歴などを管理し、企業からの問い合わせに応じ、条件に合う人を探す「法務省矯正就労支援情報センター(通称コレワーク)」が昨年11月、開設された。出所前に就職を決め、自立した社会の一員として暮らしていくために必要な仕事を確保することは再犯防止の効果が高い。現状や今後の見通しなどをコレワーク西日本の都坂圭吾矯正専門職に聞いた。

 コレワーク西日本の都坂圭吾矯正専門職.JPG

 ――まず簡単にコレワークのシステムを教えください。

 コレワークでは、全国の刑務所や少年院にいる受刑者・少年院在院者の、取得資格や職歴、出所後に住む場所などの情報を一括に管理したデータベースを使用して、企業からの問い合わせに応じ、受刑者らの情報と照らし合わせ条件が合う人を探します。コレワークはさいたま市、大阪市の2カ所に設置され、それぞれと東日本、西日本を管轄しています。これは地域の事業主を担当するためであり、共に全国の受刑者と少年院在院者のデータを管理していますので、全国のどの施設の入所者にも対応できます。

 

 ――どのような役割を担っているのでしょうか。

 出所者の半分程度は親の紹介や元の職場に戻るなどして就職をしていましたが、残りの半分はハローワークを通じてもなかなか就職できなかったのが現状でした。企業も雇いたい人がどこにいるかもわからなかったですし、受刑者らも自分の帰る場所の仕事の状況を知る環境が十分ではなかった。施設の場所と受刑者らが帰る場所が離れているケースも多く、帰る場所の情報がないため、ミスマッチが起きていました。

 それをコレワークがデータベースを管理することで、どの場所で生活する予定の方であれば雇うことができる、こういう資格のある人を雇いたいなどという事業主のリクエストに対し、就業予定地に通える範囲で生活する予定があり、必要な資格を持っている受刑者がどの刑務所・少年院に収容されているか伝えることができる。簡単にいうと、企業と入所者を結びつける役割があります。

 ――具体的に採用までに至るには

 職業安定法で許可を受けた業者を除き職業のあっせん行為を認めていませんので、コレワークが直接、受刑者らを企業に紹介することはできません。

 まず、相談を受けた事業主に対し、どこの施設に採用を希望する受刑者がいますと伝え、その施設宛てにその施設だけで閲覧できる非公開の求人票をハローワークで出してもらいます。さらに、コレワークから施設側に相談の内容やデータベースを検索して条件に該当した受刑者らの氏名など連絡をし、求人票が届いたら、その受刑者らに、「帰った先で資格を活かせるこういう就職先があるから、働いてみないか」という指導をしてもらっています。

 

 ――11月にオープンして4カ月ほどですが、問い合わせ状況は

 西日本だけで、すでに企業からの100件を超える問い合わせをいただいています(平成29年2月20日現在。以下同じ。)。毎月月末を締め切りとして、各刑務所や少年院から原則出所六カ月前で、病気や高齢者、暴力団関係者などを除き、まだ仕事が決まっていない受刑者らのデータを登録しています。現在4,300人分、今後は毎月少しずつ増え、6,000人程度に増えると思います。

 

 ――どういう業種からの問い合わせが

 こういう条件ならば雇用できるなどの問い合わせが一番多いのは建設関係、それに介護関係またトラックやタクシーの運転手という業種からも多くいただいています。

 

 ――採用に結びついた例は

 採用に至った事例は4件あり、在所中に応募し、出所後に面接し採用されたケースが1件、在所中に面接し内定をいただいた事例が3件です。在所中に仕事に向けた心構えや準備のための時間を持つことができることで、職場での定着率が上がることを期待しています。

 

 ――具体的にはどのようなケースが

 今年1月、関西の事業主が30代の男性を採用しました。事業主がコレワークに相談したところ、条件に合う受刑者がいる施設を紹介し、求人票を提出。検索対象者の方ではありませんでしたが、求人票を見た男性が応募し、出所直後から勤務しています。

 

 ――年間、何件くらい採用に結びつけたいというようなものは

 今後、できるだけ増やしていきたいと思います。平成27年に刑務所・少年院でハローワークを通じて397人が就職を希望したのに対し、出所前に就職が決まっていたのは356人だったという調査結果があります。それを少しでも改善することを求められていると思いますが、最後は人と企業の相性もありますので、なかなか数値目標は難しいですね。

 

 ――再犯防止には有効ですね

 出所前に仕事があるかないかということは再犯防止には非常に重要なことです。平成27年までの調査ですが、仕事がある人の再犯率は7.8パーセントですが、無職の人の再犯率は26.1パーセントに上り、3倍以上の開きがあります。就職は社会復帰の第一歩です。受刑者の一日も早い社会復帰のため、出所前に就職まで結びつける努力をしていきたいと思っています。

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