活動内容
PROJECT

INTERVIEW
インタビュー
株式会社藤岡工務店 藤岡義和 取締役会長
企業
建設工事を中心に事業を行われている、藤岡工務店の藤岡会長に、お話をお聞きしました。
以前から、保護司としての活動もされています。
(大阪市淀川区加島・2016年6月16日)

- 職親プロジェクトでこれまで、雇用された人数は。
- 7名ほど雇用しました。そのうち残っているのが今現在2人です。
- 想いがなかなか伝わらなかった事もありましたか。
- 生い立ちから親の愛情に恵まれない子たちが多いんですよ。教育や愛情の不足が原因だと思います。就労者から「会長にとっての常識は僕にとっての非常識ですから。僕にとっての常識は会長にとっての非常識ですよね」と言われました。外面的には、それではダメだと皆理解していると思うんですよ。
- 理論的にはわかるけど、心としては受け入れられない。
- 僕の気持ちは言ってもわからないでしょうね、という考え方が強い人が多いです。でも、一番最初に採用した人は、就労して2年経ちます。今結婚して子どもも出来たんですよ。ですので、2人目も3人目の出所者の雇用も上手く出来ると思ったんですが、なかなか難しい局面が多かったです
- 相手の気持ちになって考えることは。
- 少年院の中では、トップクラスで頭が良くて、話も上手くて、優秀だったんですが、いろんなことがあり、逃げて辞めてしまいました。最後は、引きこもりになって。何を言うても分かってもらえないと思ってしまいます。
- 大きな壁があると感じますか。
- 幼少期の事を、聞けば聞くほど、一番大事なんかなと思いますよ。だから、三つ子の魂百まで、という言葉があるじゃないですか。
- 幼少期の愛情が足りなかったので、人間不信になったんですね。
- そこがやっぱり根底にありますね。一番大事な時に、お父さんがいない、お母さんがいないっていうのは、やっぱり大きいんだろうなと思いますよ。やっぱり両親の存在が一番大事ですね。刑務所の中に3年も4年も居るのは無駄じゃないかと思うんですよ。今の子を見て感じるのは、やっぱり精神的な問題。人格形成としての問題。そこを刑務所の中で、もう少し何か教えられないのかな。人と人の温かみ。採用した若者が「現場に行くとバールがありますよね。ハンマーありますよね。これで僕が人を殺したら責任とってくれますか?会長」って言うんです。僕にしたら、どっからそんな発想ができるのか理解ができなかったです。
- 建設現場にある道具を、殺害に利用するとは普通は考えないですね。
- そうです。建設現場で「おうおう、何やってるんじゃ」と言っても、これ普通じゃないですか。愛情を持って言うてるわけですから。
- しゃべり方がキツイということですか。
- 例えば仕事を教える時に、「こんなものは自分で考えてやれよ」との一言が気に入らないって言うんです。
- どの職場でもよくある言い方ですよね。
- 当然ありますよね。「これぐらい自分でわかれよ」って言ったら。採用した人の半分ぐらいはそれで皆怒ってますね。彼らは。賢いと思うんですよ。じゃあ何が問題なのかって言うたら。1+1は当然2ですよね。彼らにとったら、1+1は2、なんで2になるの?という、のが無いんです。人に対しての外面は、「すみませんでした、僕が悪かった」と言うんですが、次の日になるとケロッとしてるんですよ。だからその場その場を切り抜けたらなんとかなる的な感覚が全てのベースじゃないかと思います。
- とりあえずその場は繕って逃げるっていうことですか。
- 次の日はケロッとしてるんです。なんで怒られたか分かっていない。ほんとのところ何が悪かったのか分からないし、どうして相手が怒っているかも理由が分からないし、叱られた原因が自分にあるということも理解できないっていうことですかね。
例えば窃盗です。昔で言うたら、ちょっと金あるやつからの感覚の時代だったけど、今はもう誰からなしに、相手のことも考えないで盗る。例えばの話。盗人にも三分の理というのは、今の人には無いなと感じます。
- 適切じゃないかもしれませんが、大昔の大泥棒みたいな人は、悪い人からお金を盗って皆に分け与えるみたいなイメージがありましたね。
- 今はないですね。困っている人たちから金盗るような時代ですから。
- オレオレ詐欺なんかもご老人から騙して盗る、みたいな仕組みですもんね。
- だから巷のテレビみたいに、オレオレ詐欺になっても、俺はそんなことしてないよと平気で言うてるわけでしょ。だからこれはね、僕にしたら、刑務所に入っている人間云々どうこう言うか、やっぱりもう少し教育的なもんが間違ってないかって感じがするんですよ。だから逆に言うたら、もう少し単純な道徳的な教育を皆で協力できないんかなと想うんですよ。
- 【プロフィール】
- <会社データ>
▽昭和49年7月、設立
▽建築工事一式
▽大阪府大阪市淀川区加島4丁目7-59