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INTERVIEW

インタビュー

一般社団法人チーム太陽 北村啓一 代表

施設・団体

【2016年3月3日インタビュー】

一般社団法人チーム太陽 北村啓一 代表
職親プロジェクトは、スタートして3年が経ちました。これからの課題は。
主役は元受刑者。採用いただいた企業も、企業利益に貢献させるつもりで、努力していただいていますが、定着率については、まだまだばらつきがあります。今こそ、各メンバーの、成功例、失敗例を研究会として学習する必要があると思います。
企業の願いは、採用した方がその後リーダーとして、力を発揮し後輩の指導に当たっていく事、これは願ってもない事と拝察いたします。
元受刑者の方は、被害者への謝罪の気持ち、仕事に対しての前向きさ、職場での新しい仲間、そして提供された住居で、分別ごみのルール等を守り社会に溶け込んでいってもらいたい。そのためには、仕事上での父親役、生活上の母親役が一人ひとりに細かいケアをする必要があります。彼らは一人ひとりが全く違う問題を抱えています。何人採用したかより、質の高いケアが望まれるのではないでしょうか。
何人かの経営者の方から、結局想いが強過ぎて窮屈になって逃げられちゃったのかと。
もっと緩くやるっていうのは、言葉の意味、気持ちとしてはわかるんですよ。でも具体的にそれをどういう形で緩くするのかを、職親で研究して、成功例をどんどん皆に教える、失敗も教えることによって、皆さんがそれを学習される。そうでないと職親に入っていらっしゃる企業の方が逃げてしまうと思います。企業は、ボランティアの気持ちから参加してくれています。元受刑者を雇ったら業績が上がるわけではないです。これから先は、これまで学習したことを、どんどんまとめて、皆で情報を伝達していくような会議もしていかなければと思っています。どの企業も入社してからは、出世してほしいと願っています。新しい元受刑者が入ってきた時の、リーダーとして躍進してほしいと皆さん思われています。
職親プロジェクトの広がりは。
 施設とその後の担当行政が密接な関係を持つ必要があります。民間のネットワークだけでは、先に進まないのです。1つの職親企業で、6~7人まで採用してもらって、近くの企業に勧めていただく、親が子に、子から孫に、という様に、徐々に徐々に今増えて来ています。採用・指導・接し方のマニュアルを、プロジェクトで作成して、職親プロジェクト提言していくことを、細かくやっていく必要があります。日本財団がやっている職親プロジェクトに参加している企業だから、安心して元受刑者の方は来られるわけですよね。

責任もあるので、就職後のチェックは企業に対しても、元受刑者の方に対しても、きちんと行うことが大切です。就職された方には月に1回面談する。そうするといろんな悩みも聞けます。例えば女子の少年院の方とか、女子の刑務所の方については、会社の女性アドバイザーのフォローも大事です。仕事は男性の方が指導していただく。だから、お母さん役と、お父さん役になる方が企業の中で必要です。また、職親プロジェクトを世間に認知してもらう努力を我々はしていかなくてはいけません。
例えば、協力雇用主さんは登録数では1万5千社ありますが、実際に雇われている会社は少ないですね。そこにも職親プロジェクトがアプローチしていく事です。
一番難しい点は。
1つ1つ丁寧にケアしていかないと、協力雇用主さんと、元受刑者の方がどんどん離れていってしまいます。法務省によると受刑者トータルの数は減ってきているのですが、問題になっているのは高齢化。それから女子の施設に関しては飽和状態になっています。例えば山口の美祢は800の日本一の施設規模になっています。スーパーA級(問題の少ない)の方を収容してきましたが、それ以外の方も受け入れています。一般の刑務所が飽和状態で、例えば栃木刑務所だと思うんですが6人部屋に対して8人収容しているそうです。

やっぱり主役の元受刑者に、そこの会社の中で幸せになってもらいたいです。ある会社で、山口県の美祢社会復帰促進センターを出所した女性が一生懸命働いていて、社内結婚するということになりました。私は嬉しくて、勤務先の経営幹部の方々も楽しみにしていたのですが、どこかで間違ってしまい、この女性は違う男性のところに走って行き残念な話になってしまいました。なかなか、上手くいかないケースもありますが、多くの企業に職親プロジェクトに参加していただき、やり直しのできる社会の実現を目指すことが大切ですね。

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