- ひとりをみんなで支える
-
刑務所出所者、少年院出院者一人ひとりの更生を参加企業みんなで支える、
そして参加企業が抱えた課題や解決を参加企業や専門家みんなで考え、議論し、互いに支え合う。
日本財団職親プロジェクトは、参加企業、法務省、矯正施設、専門家など、様々なメンバーで、
再チャレンジできる社会、犯罪被害に悲しまない社会を目指しています。刑務所出所者、少年院出院者一人ひとりの更生を参加企業みんなで支える、 そして参加企業が抱えた課題や解決を参加企業や専門家みんなで考え、議論し、互いに支え合う。
日本財団職親プロジェクトは、参加企業、法務省、矯正施設、専門家など、様々なメンバーで、 再チャレンジできる社会、犯罪被害に悲しまない社会を目指しています。犯罪は許されることではありません。しかし、再犯を防がない限り、犯罪被害で悲しむ方はなくなりません。
そして、一度罪を犯した者は、本当に気持ちを改め、罪を犯さぬよう社会復帰しようと望んでも、
社会の厳しい目や反発などが原因で、叶わないのが日本の現状です。
それは、刑務所出所者や少年院出院者が幾度と犯罪を重ねる悪循環に繋がります。
その悪循環は、大きくなればなるほど犯罪の被害に悲しむ人が増えることに他ならず、
日本が安心・安全な国になるためには、再犯を防ぐことは欠かせません。犯罪は許されることではありません。しかし、再犯を防がない限り、犯罪被害で悲しむ方はなくなりません。
そして、一度罪を犯した者は、本当に気持ちを改め、罪を犯さぬよう社会復帰しようと望んでも、 社会の厳しい目や反発などが原因で、叶わないのが日本の現状です。
それは、刑務所出所者や少年院出院者が幾度と犯罪を重ねる悪循環に繋がります。
その悪循環は、大きくなればなるほど犯罪の被害に悲しむ人が増えることに他ならず、 日本が安心・安全な国になるためには、再犯を防ぐことは欠かせません。日本の検挙人員は2004年389,027件から減少し続けている一方で、再犯者率(1年間の逮捕者のうち、犯罪件数が2回目以上の者)が1996年27.7%から2016年48.7%まで下がることなく上昇を続け、罪を犯した者のうち、約2人に1人が再犯をしている計算です。
また、再犯者の70%が無職で、再犯時の有職者に対し無職者の数は約3倍の人数になっています。
- 過去は変えられないが、未来は変えられる。
-
日本財団職親プロジェクトは、再び罪を犯すことを防ぐため、
また犯罪で悲しむ方を増やさないため、「就労」、「教育」、「住居」、「仲間づくり」の視点で刑務所出所者、
少年院出院者の社会復帰を応援していきます。
インタビュー
INTERVIEW
九州事務局 副島 勲 一般社団法人ヒューマンハーバーそんとく塾 理事長
株式会社ヒューマンハーバー代表取締役社長
自分から変わろうと思えば、“人財” になる
ただ、中には会社を紹介してもすぐ辞めてしまったり、 再犯をしてしまう人もいて、 新しい仕組みが必要だと思い、 71歳のときに作ったのがヒューマンハーバーという会社です。
働く場所と住まいを提供するだけでなく、 教育が大事だと思い独自のプログラムを開発しました。
「教育ぐらいで人が変わるか」 と批判もされましたが、 本当に腹の底から「これが自分のいけないところだ」 と腑に落ちたら、 自分から変わろうというエネルギーがでてくるんですね。
私どものプログラムを受けた性犯罪者で、5年以上、工場長として頑張っている人もいます。
上司からいろいろ言われたりして葛藤もあったけど、「相手を変えようと思っても難しい、 自分が変わらなければ」と気が付いた。それが仕事を継続できている要因だと思います。
もちろん失敗例もあります。 アルコール依存症で、なかなか酒をやめられずに入退院をくり返して、最後は病気で亡くなった方もいました。
そうした悲しい事例を減らすためにも、 上司と本音で話し合い何でも相談できる体制をもっと強化したいと考えています。
なんでこの事業をこれほどの熱意を持って続けていられるのかとよく聞かれますが、 私は宇宙で最大の資源は人間だと思っているのです。
たとえ罪を犯した人間でも、教育を受けて自分から変わろうとすれば “人財” になれる。
材料の材ではなく、 宝の財です。
そういう人財を育てることが、 私たちの役割だと思っています。
少しでも再犯が減れば、 新たな被害者は生まれませんから。
職親企業の方々から 「雇用したけど、 どう扱ったらいいのかわからない」 という悩みも聞くので、今後は一緒に勉強していきたいと考えています。
文:萩原絹代
株式会社藤巻製作所 代表取締役会長
更生しようと頑張る人がいたから
「やっちゃったことはしょうがない。 生き方を変えるお手伝いをして、 彼らと一緒に生きよう」という想いで取り組んできましたが、これまで32名雇ってきて、たくさんの失敗をしてきました。
何も言わずに逃げてしまったり、数カ月で辞められたりするのが続くと辛いですよね。
僕も5年前にやりきれない気持ちになり、この活動をやめようと思ったことがあります。
その時、 続けようと思えたのは、 更生しようと頑張る方たちの存在があったから。
人が少しずつ変わっていく姿が見られたり、笑顔や感謝の言葉をもらえたりするのは、最高の喜びなんです。
つい最近も、服役経験のある女性従業員が、新年会で「藤巻製作所に就職して本当に良かった」とボロボロ涙するのをみて、心の中で泣きました。
生き方を変えるときは、気持ちだけじゃダメなんです。
だから僕らは 「具体的な目標を持て」と教えていて、 目標を叶えるためにクリアしておきたいことを月単位で細かく設定させています。
片や僕の目標は、2年を目安にきちんと納税ができるように彼らの生活を安定させること。
矯正施設で税金のお世話になった分、納税できて初めて更生したと言えるんじゃないかなと僕は思うんですよ。
雇用する側としては2年と言わず、ずっと居てほしいですけどね、それぞれやりたいことがあれば止められませんから、安定した生活を身につけてから飛び立って欲しいです。
企業のみなさんには、 「僕らが隣にいますから心配しすぎずに頑張りましょう」とお伝えしたいです。
悩みはみんなの財産。 抱えずに共有してください。
僕はもう60過ぎですけどね、この活動には定年はありません。
皆さんのお力添えのもと死ぬまで頑張っていきます。
文:高橋美由紀
カンサイ建装工業 株式会社 代表取締役
皆でおもろいこと、やっていきましょう!
しかも、 本音で触れあうので就職にもつながっている。
例えば、 日本料理の体験をした中にすごく手先が器用な子がいて、精神的な疾患があるけど、この子やったら来てほしいわ」 と言われたんですよ。
職親プロジェクトはみなさんに夢と希望を与えるのが目的のひとつだと思っています。
加古川学園という少年院で講演をしたとき「夢はあるか」と聞いたら、「夢の組み立て方がわかれへん」と。
みんな 「金を稼ぎたい」 と言うのに、掛け算ができない人が半分以上いたんですね。
それで、4年くらい前から学習支援を始めたら、半年で因数分解までできるようになったんです。
「大学に行きたい」という子も出てきました。
少年院や刑務所は隔離された場所だから、勉強に集中できる空間なんですよ。
でも、ただ「勉強せえよ」と言ってもダメ。
「知識がないから騙される。 騙されへんようにするためには、頭に貯金してホンマの強さを得ないと、同じくり返しばっかりすんねんで」 と言うと、「わかりました」と勉強するんです。
ラップの詩のことをリリックといいますが、「国語を習ったらリリックを書き「やすくなった」と言って、私のためにラップの歌を作って送ってきてくれた子もいます。
「♪職の親に出会い、愛する家族と、この先照らし~」って。
人をどついたり傷つけたりしてもおもろくないでしょう。
それより一緒に働いて、みんなでご飯食べに行ったり、ラップを作ったりしたら感動があるし、もっとおもろいやんと言いたいですね。
ともに感動を分かち合って、 一緒に歩んでいきましょう!
文: 萩原絹代
職親プロジェクトの歴史
HISTORY
3月18日
谷垣禎一法務大臣へ企業の採用に関する「要望書」を提出
法務大臣に要望書を提出
日本財団 会長 笹川陽平
千房 株式会社 代表取締役 中井政嗣
12月4日
「職親プロジェクト」 東京地域 調印式
(日本財団)《新規参加企業》
日本財団にて調印式
株式会社アイエスエフネット
S・TEC株式会社
セリエコーポレーション
株式会社ビ・ボーン
株式会社藤巻製作所
株式会社T2factory
株式会社SHIROコーポレーション
北洋建設株式会社
株式会社ヒューマンハーバー
2月28日
「職親プロジェクト」調印式(大阪市内)
調印式
千房 株式会社
株式会社 一門会
株式会社 牛心
株式会社 信濃路
カンサイ建装工業 株式会社
株式会社 プラス思考
株式会社 プログレッシブ
7月18日~8月30日
刑務所及び少年院にて採用面接開始(刑務所2施設)
美祢社会復帰促進センター(山口県美祢市)
播磨社会復帰促進センター(兵庫県加古川市)(少年院3施設)
加古川学園(兵庫県加古川市)
和泉学園(大阪府阪南市)
播磨学園(兵庫県加古川市)
4月
再チャレンジ奨学金制度開始
7月~2015年3月
再犯を防止する官民合同勉強会~やり直しのできる社会の実現を目指して~開催
第1回再犯勉強会谷垣元法務大臣と笹川会長
主催:日本財団
協力:法務省
就労・教育・住居・仲間づくり等とテーマに議論し、中間支援を中心とした更生支援モデル構想を提案
3月~
「職親プロジェクト」第2回公募開始 東京地域も募集スタート(刑務所1施設 追加)
職親連絡会議
島根あさひ社会復帰促進センター(少年院 7施設 追加)
交野女子学院(大阪府交野市)
浪速少年院(大阪府茨木市)
喜連川少年院(栃木県さくら市)
榛名女子学園(群馬県北群馬郡榛東村)
多摩少年院(東京都八王子市)
小田原少年院(神奈川県小田原市)
新潟少年学院(新潟県長岡市)
10月~
「職親プロジェクト」第3回公募開始
(刑務所2施設 追加)
再犯勉強会にて現状の問題を訴える職親企業
喜連川社会復帰促進センター(栃木県さくら市)
栃木刑務所(栃木県栃木市)
4月9日~
国の就労支援奨励金スタート
(職親プロジェクト支援金を終了)
日本財団の支援金が国の就労支援のモデルとなる
5月~
「職親プロジェクト」第4回公募開始
(刑務所1施設追加)
奈良少年刑務所(奈良県奈良市)
5月27日
上川陽子法務大臣へ刑事施設内作業等に関する「要望書」を提出
日本財団 会長 笹川陽平
11月9日
職親プロジェクト職親プロジェクト福岡 発足式 開催《新規参加企業》
10/2意見交換会
株式会社木村電気工事店 有限会社 九州建設工業 社会福祉法人 グリーンコープ
株式会社 弘進テック
一般社団法人 さくら社会福祉協議会
株式会社 大樹
株式会社 T・P・T
株式会社 西日本光創
福岡西鉄タクシー株式会社
有限会社 未来建設
有限会社 夢創
合資会社 YMK
3月~
「職親プロジェクト」「仕事フォーラム」スタート
矯正施設内にて職親企業による職業講話
4/27小田原少年院職業講話
4/27小田原少年院グループワーク
少人数制グループワーク・企業説明会等を開催
10月2日
「職親プロジェクト」上川陽子法務大臣と意見交換会 開催
10/2意見交換会
日本財団 会長 笹川陽平
職親企業代表者
11月16日
岩城光英法務大臣へモデル矯正施設の整備に関する「要望書」を提出
法務大臣に要望書を提出
日本財団 会長 笹川陽平
11月~
「職親プロジェクト」 第5回公募開始
(刑務所8施設 追加)
加古川刑務所(兵庫県加古川市)
岩国刑務所(山口県岩国市)
麓刑務所(佐賀県鳥栖市)
大分刑務所(大分県大分市)
佐賀少年刑務所(佐賀県佐賀市)
筑紫少女苑(福岡県福岡市)
福岡少年院(福岡県福岡市)
人吉農芸学院(熊本県球磨郡)
4月11日
「日本財団職親プロジェクト」
和歌山地域 説明会
和歌山説明会
和歌山県県JA和歌山ビルにて(和歌山市美園町)31社が参加
7月4日
「日本財団職親プロジェクト」
神奈川地域 説明会 開催
産業交流プラザ(横須賀市本町にて)68人が出席
3月~
「日本財団職親プロジェクト」
設立3周年記念シンポジウム開催
設立3周年記念シンポジウム
職親企業代表者
プロジェクト関係者
4月12日
「日本財団職親プロジェクト」
大阪地域 説明会 開催
AP大阪にて(大阪市北区)23社が参加
7月15日
「日本財団職親プロジェクト」
神奈川地域 説明会 開催
和歌山発足式
奥谷工業
株式会社 鎌田鉄筋工業
株式会社 KEGキャリアアカデミー
株式会社 スーパーサンワ
大楊工業 株式会社
東和冷機 株式会社
トップランド
南海砂利 株式会社
初島電設 株式会社
明光電機 株式会社
株式会社 明成
ユタカ交通 株式会社
ライフアクセス 株式会社
良誠工業 株式会社
1月23日
「日本財団職親プロジェクト」
設立4周年全国大会開催
5月10日
新潟上越拠点発足《新規参加企業》
新潟上越発足会
エコフレンドリー・スタジオ
株式会社えちご棚田文化研究所
金井旅館
株式会社キューピットバレイ
農事組合法人 久比岐の里農産センター
有限会社月徳飯店
一般社団法人土の香工房
手づくり百人協同組合
株式会社一すじの道
本山建築
雪水しょうかい
12月20日
上川陽子法務大臣との意見交換会 開催
雇用・住居・教育に関して議論
法務省(法務大臣、矯正局長、保護局長等)
日本財団 会長 笹川陽平
職親企業15企業
メディア
1月23日
金田勝年法務大臣と面談
法務大臣に杉良太郎氏と面談
日本財団 会長 笹川陽平
杉 良太郎氏
9月8日
モデル矯正施設の確定
多摩少年院
多摩少年院(東京都八王子市)
加古川刑務所(兵庫県加古川市)
佐賀少年刑務所(佐賀県佐賀市)
9月15日
上川陽子法務大臣へモデル矯正施設及び更生
保護施設の機能拡充に関する要望書を提出
法務大臣に要望書を提出
日本財団 会長 笹川陽平